私の統合失調症の原因は、明らかにマンション上階から聞こえてくるようになった「騒音」だ。
自分の頭の上から騒音が聞こえてくる、というのは嫌な気分だ。
いや、それがたまに、どうということはない。
それが絶えず、ということになると、話は違ってくる。
いつ上から音が聞こえてくるか、といつもビクビクしてしまうのだ。
勿論、上階の騒音については手を尽くした。
自治会に相談する、とか直接言いにいく、とか。
だが、私が手を尽くしても全く問題は解決しなかった。
そこで私は音がするたびに、天井を棒で突く、という行動を取るようになる。
私は天井を棒で突く、という行動を取り始めたが
それがいいことだとは思っていなかった。
その良心の呵責、が恐怖感に繋がっていく
私はいつも恐怖感を背中に貼り付けて生きているようになった。
そして私は宗教への道にはいってしまった。
もともと友達にすすめられていた宗教だったが
藁にもすがる思いで入信してしまった。
それは手かざし、ということを売り物にしている宗教だったが
手かざしを受けることで、病気が治るという。
私は、時間に余裕があったせいもあり、毎日宗教施設へ行き
手かざしを受けていた。
ある日、頭の中に幻聴が聞こえた。
「私はあなたの守り神です」
この声を聞いた私は、宗教に入り込む
毎日手かざしを受けた。
そして、幻聴はいろいろな会話になっていった。
「青い色が欲しい」「ロウソクの火が消えた」
そんな声が頭の中に聞こえる。
幻聴を消すために手かざしを受ける。
すると幻聴がひどくなる。という悪循環だった。
そして、私は宗教を止める。
当然だが、幻聴は残ったままだった。
ついでに独語も始まった。
私の心は波間に漂う樹の葉のように、ゆらゆらと心細く揺れたが
耐えてた。耐えるしか方法がなかったから。
一人だったので、誰にもかばってもらえない。
私は、私の心を自分で抱えたまま、ただ耐えていた。
死にたいとは思わなかった。ただ、一日一日がすぎるのを耐えていた。