芥川龍之介実母は、統合失調症の患者で早死にした。
そのため、竜之介は、自分も同じ病気になるのではないか?
という恐れを常に抱いていた。
実際に、竜之介の晩年の作品「河童」「歯車」など には
統合失調症を思わせる、幻視、幻聴の場面が出てくる。
そのため、竜之介が、統合失調症であった、という意見は根強いが
現代では、それを疑問視する声も大きい。
なぜなら、治療方法が未熟であった過去の時代には
統合失調症の末期には、論理的思考が不可能となり
文章は支離滅裂となる。
芥川龍之介は統合失調症ではなく、神経衰弱の可能性が高い。
さらに、未治療の統合失調症の末期は
風呂にも入らず、不潔な状態で、起きている間ぶつぶつと
独り言を言う、廃人同様の症状となる。。
しかし、竜之介にはそれがなく、最後まで文章は明晰であり
きちんとした、思考力を示した。
そのため、現在では、竜之介の症状は、一般的に言われる
神経衰弱であり、統合失調症ではなかった、と判断されている。