私は週に一度、心療内科のディケアに通っているのだが、
ディケアに来ている方たちは、皆明るくて、一見、どこも悪いところがないように見える。
いつもデイケアに通っていると、少しずつ友達のようなものも増えてきて
世間話や病状を話し合ったリするようになる。
中でも背が高く、スタイルのいい光子さん(仮名)と幸子さん(仮名)
と仲良くなって、デイケアの後、お茶を呑んだりもするようになった。
そして話を聞いていると
二人共、自殺未遂の経験があった。
どういう形の自殺未遂をしたか? というと
光子さんは
オーバードーズとか言うのだろうか
抗精神病薬を大量に飲んだらしい。
向精神薬を大量に飲むためには、同時に何軒もの精神科医にかかって
それぞれの医者から精神薬をもらって貯めておき、それを一度に飲むのだ。
光子さんは貯めておいた薬をまとめて飲んで、意識が無くなり、気がついたら、病院のベッドの上に手足を拘束されて寝ていたそうである。
手足を縛るのは、薬が切れて苦しさに暴れてしまう。または続けて自殺を図ってしまう、ということがあるからだ。
で、彼女は助かり
「自殺するより、助かった後の時間の方が何倍も苦しい、もう二度とやらない」
そうである。
彼女の生活を聞いてみると、幼い頃からの父親のDV、兄弟からの暴力などで
ひどい鬱病になった、といっていた。
DVの父親は高齢になって、ボケが始まり、何度も警察沙汰になって
介護施設に引きとられたそうである。
今現在、彼女は父親の残した家に一人で住んでいる。
兄弟はいるが、幼い時から仲が悪く、全然付き合っていないという。
今、一人で住んでいるが、彼女が自殺未遂をしたことが、有名になっていて近所からの干渉がひどく、生きにくいと言っていた。
彼女は今、引っ越したいがお金がなくて引っ越せない状態だそうだ。
彼女にかかわらず、心療内科で治療を受けている人
例えば、うつ病、とか統合失調症とか、その他とか
原因はほぼ100%家庭にある。
端的に言えば、親の過交渉、全くの無関心、暴力、どれかである。
過交渉の例としては、勉強のさせずぎ、習い事のさせすぎ、親の道徳感の押し付けがあり
無関心の例としては、子供がどんなに頑張っても、親が関心を示さない、ほとんど放任という状態がある。
一番悪いのは親の暴力で、親の機嫌で子供を殴ったり蹴ったり、ご飯をたべさせなかったりすることだ。
人間の心というのは強いようで、結構弱く、長期間の精神不安定は
体の不調を呼ぶ。
自殺未遂の彼女も、まだ40代であるのに背中が痛い、腰が痛い、喉が痛い、目が眩しくて部屋の中でもサングラス必須だ、などと言っていた。
でも、もう決して死のうとはしないし、頑張って行きて行く、と言っていた。