統合失調症になって、一番困るのは患者さんに病識がない。
ということです。
私の場合、たまたま、自分が統合失調症だ、ということをすぐに認められました。
自分の調子の悪い状態が統合失調症だ、とわかって嬉しかったくらいです。
何度も書くようですうが、病名がわかれば、治療ができます。
でも、病名がわからなければ、病気は永遠に治らないのです。
私の友人も、自分が病気だと絶対に認めません。
30代で発病し、家族が病院に連れて行こうとすると
大暴れして、車に乗らなかったそうです。
大人4人掛かりだったのに女性一人を車に乗せられないのです。
必死になると、人間は思いがけない力を出します。
家族も病院に連れて行くことができず、
とうとう友人はずっと病院に行きませんでした。
友人に薬を飲ませようと口の中に薬を押し込んでもダメでした。
薬を吐き出してしまうのです。
私が一度友人に「何で薬を飲まないの?」と聞いたら
「基地外の薬を飲むと、自分も基地外の仲間になってしまうから」
と、答えました。
友人の中では自分は正常だ、薬はいらない。という気持ちがあったのでしょう。
薬を飲まなかった友人は50代の今でも、架空の相手と話しています。
勿論、家事は一切できません。
今はご主人が退職して家事をしていらっしゃいますが
ご主人が働いていた時期は、3食、コンビニ弁当だったそうです。
友人のように、統合失調症でも、医者に行かない
という患者さんは数多くいます。
ご家族の方がこまってしまうのは、そういうところです。
どうしても患者さんが医者に行かない場合は、
家族の方が医者に出向いて相談する、という方法があります。
間接的に薬も出してもらえます。本人に気づかないように
水薬を味噌汁などに入れて飲ませる。という方法もあります。
患者さんに病識がなく、どうしても医者に行くのを嫌がる場合は
ご家族の方が病院に行って、相談してみてください。