メンタルクリニックで知り合った30代の男の方です。
統合失調症歴、8年だということでした。
入院経験も有り、障害年金ももらっています。
普通に見ては一般の方と変わりませんでした。
ですが、話をしていくうちに異質なものを感じました。
自分の考えが他人から覗かれ、他人の考えが自分に入ってくる
と、言うのです。
「それは脳の誤作動であって、幻想ではありませんか?」
と、私は言いました。
「いいや、自分の感じることは全部本当のことです。
普通の人も感じているのだけれど、気がつかないだけです」
その人は、そのように言いはりました。
「ああ、そうなんですか」
と、私は無難に流しておきました。
だが、内心、この方の寛解の日は遠いな、と思っていました。
統合失調症の寛解は自分で病識を持つことから始まります。
私の場合、幻聴、独語、恐怖感が、統合失調症の症状でしたが
そのようなことが、統合失調症の症状だ、と自分で納得して
幻聴、独語を徹底的にスルーすることから寛解の道は始まりました。
実は、最後の恐怖感だけは、まだ残っています。
でも、あらゆる病気がいっぺんに霧が晴れるように良くなるはずがありません。
わたしも、最期に残った、統合失調症の恐怖感と戦いながら
今日も生きていこうと思います。
統合失調症の症状で悩んでおられる方、それはすべて
脳の誤作動が産んだ錯覚です。それが自分で認められれば
寛解への道が広がっていきます。
なかなか難しいことだとは思いますが。
どうぞ、皆様の病状が、少しでも良くなりますように。