一人暮らしで統合失調症、寛解したことを伝えるブログ!

家族に死に別れて、天涯孤独になり、統合失調症になったアラフィフの女性が、一人で生きていく道

作家、森村桂さんと 統合失調症の関係

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2004年に、64歳で病院で自殺された森村桂さんだが、

私は一度だけお会いしたことがある。

 

それは、当時私が勤めていた会社でのことである。

その頃、会社の婦人部が、リクリエーション活動として講演会をやる

講演してもらいたい人は誰?

というアンケートを取った。

 

その時、他を圧して上がったのは「森村桂」

の名前だった。

その当時、森村桂は30歳くらいだったと思う。

「天国にいちばん近い島」とか「違っているかしら」

というような、明るい青春もの、といわれる小説を書いていて

かなり人気者だった。

 

私も彼女の著作は何作か読んでいて

「明るくて元気な人だな」という印象を持っていた。

あとは申し訳ないが、「目が細くて、身体も細い人」

だと思った。

 

婦人部が言うには、森村桂に講演会を交渉すると

「私は5万円出さなければ行きませんよ」

と非常に感じの悪い言い方で言われた、とのことである。

当時の5万は今いくらくらいになるのか判らないが

当時は結構な高額だったと思う。

 

有名な森村桂が来場すると会って、その日、会社の会議室は

人で一杯になった。

 

講演を始めた森村桂の話、それが全然面白くない。

おそらく事前に何の準備もしていなかったのであろう。

会場はシーンと静まり返っていた。

だって、面白くもないし、ためになるような話でもないし。

未だにこうして、どんな話だったか私も覚えていないし。

 

シーンとした会場に森村桂もあせったのか、とつぜん

「おしっこ」の話を始めた。

自分のおしっこか、他人のおしっこだか

とにかく「おしっこがどうした」というような話だった。

シーンとした会場が、「仕方なく」というような笑いに包まれた。

 

すると、森村桂は

「どうして皆、こういう話をすると喜ぶんだろう」

と言い放った。

おそらく、会場中の参加者全員、呆れ返ったと思う。

 

時間がきて、森村桂が会場を去ると、私の隣の席にいた男性が

「嫌な女だな」と呟いた。

 

森村桂は自殺する晩年におかしくなったのではなく、若い時からおかしかった。

 

失礼ながら私はそう思う。

講演で見た30代の森村桂の態度は、社会生活を送るのには

非常に苦労するだろうな、というような人柄に見えた。

 

彼女の自殺後、夫の三宅一郎さんが「桂よ」という本の中で

森村桂は、母親にスポイルされ、最初の夫に食い物にされ

(最初の夫は冒険家で、森村が冒険の費用を出していた)

周りの人が皆で、彼女を食い物にした、というようなことを書いていたが

 

まあ、周りの人も彼女の(収入を)食い物にしたかもしれないが

森村桂自体の性格にも問題があったのではないか?

と、あの日の講演を見ていた私は思う。

森村桂の性格が社会生活不適合者というようなものになったのは

母親(父親は幼少時死去)の育て方にあったかもしれないが。

 

30代の森村桂は、

私の思った通りの「目が細くて身体の細い人」

であった。この容貌が、森村桂に劣等感を与えたのではないか?

というような気もする(ただの私の推測なのだが)

 

森村桂は統合失調症ではなく、躁鬱病であったらしい。

入退院を繰り返し、退院が明日、と迫った日

森村桂は飛び降りて死ぬ。

自殺というのは、本当に落ち込むとできないらしい。

自殺、というのにも体力がいる。

少し病状が良くなってきた、と思われる頃、自殺する。

 

森村桂は躁鬱病で統合失調症ではない。

2番めの夫、三宅三郎氏は、かなり献身的に森村桂の

世話をしていたようだが、結局彼女は自殺した。

精神的な病を持つ人の世話をするのは、かなりのエネルギーが必要だ。

 

「天国に一番近い島」を読んだなら、

彼女が自殺する最後を迎えるとは誰も思わないだろう。

 

明るい外面に隠された心の病。

それは意外にたくさん、世の中に溢れているのかもしれない。

 

桂よ。 わが愛・その死

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