統合失調症の患者さんの症状が一番ひどい時は
本当に何もしたくないのである。
カーテンを閉めて、いつまでも閉じ篭っていたい。
かろうじてトイレにだけは行くが
風呂にはいるのも嫌、食事をするために自分の部屋から出るのも嫌
着替えもしたくないから、垢じみた服を黒くなっても着ている。
私が聞いた、一番ひどい患者さんは、トイレに行くのも嫌で
部屋の中に尿を溜めたペットボトルが何本もあったそうである。
幸い、治療がうまくいき、こういう状態から抜け出して
風呂も入れる、着替えもできる、コンビニまで買物に行ける
というくらいの状態になると、周りの人間は
「ああ、もう良くなったんだ」
と安心する。
無理もない、統合失調症の症状が軽減するまで
場合によっては何年もかかっている。
周りの人間もいい加減疲れているのだ。
だが、油断は禁物である。
コンビニまで買物に行ける=寛解した ではないのだ。
怠け者だと思わず、もう少し長い目で見てあげて欲しい。
コンビニ→ ディケア → 短期間アルバイト と
必ず良くなっていく日がくるので、「怠け者だ」
と責めないで上げて下さい。
とうごうしっちょう